
ユリシスメダカは黄色と青のラメが美しい改良品種で、人気が高いことで知られています。
しかし「どうやって作られたの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事ではユリシスメダカの作り方の流れや特徴、さらに価格相場まで詳しく解説します。
ユリシスメダカの生い立ち

ユリシスメダカの作出者は、熊本県のメダカ専門店である舞めだかさんです。
『ユリシス』の名前の由来は、オーストラリアに生息している『パピリオユリシス』という、美しい青く輝く羽が特徴の蝶なのだそうです。
1日に3度この蝶を見た人に幸せを運んでくれるといわれているようで、ユリシスメダカも幸運をもたらしてくれそうなありがたみがありますよね。
ユリシスメダカの作り方は、舞めだかさんからは明かされておらず、ブログには『月弓×ホニャララ×ホニャララ』とあり、月弓という品種と、他2種を交配してできたメダカだということしかわかりません。
月弓という品種は、黄色い斑と輝くラメが特徴のオーロララメメダカで、ユリシスメダカの特徴が月弓から強く受け継がれていることがわかります。
ユリシスメダカの特徴

既に触れていますが、ユリシスメダカの特徴について、外見、性格、寿命とそれぞれ解説します。
外見
黄色い班と青色のラメが特徴的なオーロララメメダカです。
個体によって体色表現がバラバラで個性が出ます。
前述の月弓をはじめ夜桜など、他にも似たような体色をもった品種はいますが、ユリシスメダカは特に黄色味が強くオレンジに近い色で、青のラメも水色っぽい色をしています。
とはいえ、明確な定義付けは難しいようで、わかる人にしかわからない、というレベルです。
性格
ユリシスメダカはその派手な外見とは裏腹に、他の品種に比べて警戒心が強く臆病な性格の品種です。
他の個体と一緒になって集団で泳ぐ傾向があります。
そのため、ストレスに弱い品種であると予想されます。
飼育の際には、身を隠しやすい水草や流木、オーナメントを飼育容器に入れておくと、ユリシスメダカも安心して暮らしやすくなるでしょう。
寿命
鮮やかな体色が神々しく、ゆえに繊細そうなユリシスメダカ。
体が弱く寿命も短そうな印象ですよね。
しかし、ユリシスメダカは他のメダカと同様に長生きで、2年~5年の寿命があります。
飼育環境によってはもっと寿命が延びる場合もあります。
飼育方法
飼育方法も難しくなく、他のメダカと同じ方法で飼育できます。
ユリシスメダカは体の上側に黄色い斑が出やすいため、上から観察がしやすい飼育容器で飼うのがおすすめです。
また、より強く特徴を引き出すために色揚げをしたい場合は、稚魚の時期には白い容器で飼育しラメを強く引き出し、成魚になったら黒い容器に移すことで、より濃く美しい体色のユリシスメダカになってくれます。
ユリシスメダカの色揚げとは?
色揚げの意味
「色揚げ」とは、メダカ本来の体色やラメをより鮮やかに、美しく見せるための工夫を指します。
ユリシスメダカは黄色の斑と青いラメが魅力的ですが、環境や育て方によってその発色の強さが変わります。
適切な飼育環境を整えることで、より濃く華やかな体色を楽しむことができるのです。
容器の色と発色の関係
ユリシスメダカの色揚げには、飼育容器の色選びが大きく関わります。
稚魚の時期は白い容器で飼育するとラメが浮き出やすくなり、全体的に明るくキラキラした印象に育ちやすいです。
一方、成魚になってから黒い容器へ移すと、黄色やオレンジ色が濃くなり、青ラメとのコントラストがより強調されます。
成長段階に応じて容器を変えることで、ユリシス本来の美しさを最大限に引き出せます。
餌や環境による色揚げ
色揚げ効果を狙った餌(色揚げフード)を与えるのも有効です。
カロチノイドを多く含む餌は黄色やオレンジの発色を強め、スピルリナなど青系に作用する成分が含まれる場合はラメの輝きをサポートします。
また、直射日光ではなく適度な自然光やLED照明を当てることで、体色の定着や発色を助けることもあります。
ユリシスメダカの価格相場

気になるユリシスメダカの価格相場はどのくらいなのでしょうか。
価格相場は専門店やネット通販、オークションサイトなどで異なります。
一般的には1ペアで1500円~3000円ほどで販売されています。
驚くことに、過去にはオークションにて最高26万円で落札されたこともあるようです。
どの品種にもいえることですが、個体によって値段はピンキリです。
ユリシスメダカの作り方は?改良品種の作出方法について

メダカ改良の基本的な流れ
ユリシスメダカの具体的な作出方法は公開されていませんが、一般的に改良メダカは「親となる品種を掛け合わせ、次世代で特徴を固定していく」という流れで誕生します。
ラメや体色の出方を見極めながら、何世代も交配を繰り返すことで、狙った特徴を安定して持つメダカが生まれます。
ユリシスメダカも例外ではなく、作出者が長い時間をかけて特徴を選別・固定したものだと考えられます。
ユリシスメダカに関わる親品種
作出者である舞めだかさんのブログによると、ユリシスメダカは「月弓」と他2品種を掛け合わせたものとされています。
月弓は黄色の斑と青いラメが特徴のオーロララメ系統で、ユリシスの外見的な派手さはこの月弓の影響を強く受け継いでいるといえるでしょう。
交配の詳細は伏せられていますが、複数の品種の魅力を掛け合わせた結果、唯一無二のユリシスが誕生したと考えられます。
作出の難しさとポイント
改良メダカの作出は、誰でも簡単にできるものではありません。
数百、数千匹の中から特徴の良い個体だけを選別し続ける根気と経験が求められます。
ユリシスメダカのように青いラメと黄色の斑がバランス良く出る個体を固定化するには、膨大な時間と労力が必要になります。
そのため、同じ掛け合わせをしても必ずユリシスのような体色が得られるわけではなく、作出者の審美眼と技術が大きく影響しているのです。
ユリシスメダカの固定率は?

固定率とは何か
改良メダカの世界でよく使われる「固定率」とは、繁殖を繰り返したときに、親と同じ特徴を持つ個体がどのくらいの割合で生まれるかを示す言葉です。
例えば、体色やラメの入り方などが狙った通りに安定して出るかどうかが固定率の目安となります。
ユリシスメダカの固定率は高い?
ユリシスメダカは比較的新しい改良品種であり、固定率が100%に近いわけではありません。
子ども世代の中には、黄色が強く出る個体や青ラメが多い個体、逆に色味が弱く表れる個体などが混ざることがあります。
つまり、親とまったく同じ表現が安定して出るわけではなく、ある程度の個体差が出るのが実情です。
ただし、作出者によって丁寧に選別され続けてきた背景があるため、他の新興品種に比べると比較的固定度は高いと考えられています。
飼育者が意識すべき点
ユリシスメダカを繁殖させる際は、狙った特徴が強く出ている個体を意識的に選んでペアリングすることが重要です。
固定率が完全ではないため、理想の発色を持つ個体を見極める目が求められます。
また、ラメの乗り方や黄色と青のバランスは成長過程でも変化するため、稚魚の段階ではなく成魚になってから本命を選別するのがおすすめです。
ユリシスメダカについて【まとめ】
ユリシスメダカは、月弓など複数の品種を掛け合わせて誕生した特別な改良品種です。
特徴的なラメと黄色の斑が美しく、価格相場は幅広いですが手が届くものもあります。
これから飼育を始める方は特徴や作り方の背景を知ることで、より一層ユリシスの魅力を感じられるでしょう。
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