ハムスターは見た目のかわいらしさに加えて、種類ごとに異なる性格の魅力があります。
実は「おっとりして人に慣れやすい子」や「活発で好奇心旺盛な子」、「警戒心が強く観察向きの子」など、性格の傾向がはっきり分かれるのです。
この記事では、ハムスター全般の性格の特徴とともに、ゴールデン・ジャンガリアン・ロボロフスキーといった代表的な種類ごとの違いを詳しく紹介していきます。
ハムスター全般の性格の特徴とは？
ハムスターは見た目の可愛らしさとは裏腹に、とても臆病で警戒心の強い動物です。
自然界では捕食される立場にあるため、物音や急な動きに敏感に反応して隠れたり、噛んでしまうこともあります。
また、ハムスターは夜行性の動物で、昼間は巣箱で眠り、夕方から夜にかけて活発に行動するのが一般的です。
そのため、昼間に無理に遊ぼうとするとストレスを与えてしまいます。
さらに、ハムスターは基本的に単独行動を好むため、多頭飼いには向きません。
他のハムスターと同じケージで暮らすとケンカになることも多く、ストレスやケガの原因になってしまいます。
ただし、人に慣れると手からおやつを食べたり、手のひらに乗ってくれる個体もいます。
犬や猫のように強い愛情表現はしませんが、少しずつ信頼関係を築くことで、ハムスターの性格を楽しむことができます。
種類別のハムスターの性格
ゴールデンハムスターの性格
ゴールデンハムスターは、おっとりしていて落ち着きのある性格が特徴です。
体が大きめで扱いやすく、人に慣れやすいため初心者にも人気があります。
飼い主の声や匂いを覚えて、手の上でリラックスするようになる個体も多いです。
噛むことも少なく、比較的「なつきやすいハムスター」として知られています。
ただし、縄張り意識はしっかりしているため、他の個体との同居は避けましょう。
ジャンガリアンハムスターの性格
ジャンガリアンハムスターは、活発で好奇心旺盛な性格を持っています。
回し車で走ったり、ケージ内を探検したりと、動きが多いのが特徴です。
人に慣れる子も多いですが、個体差が大きく「とてもなつく子」もいれば「なかなか警戒心が抜けない子」もいます。
小柄で可愛らしい見た目から人気がありますが、急に触ろうとすると驚いて噛んでしまうこともあるため、少しずつ慣らしていくのがポイントです。
ロボロフスキーハムスターの性格
ロボロフスキーハムスターは、最も小型で俊敏な種類で、性格はとても警戒心が強いです。
人に慣れにくく、手で触ろうとするとすばやく逃げてしまうことが多いため、抱っこよりも「観察して楽しむ」タイプのハムスターです。
ただし、その小さな体でちょこまかと走り回る姿はとても愛らしく、眺めているだけで癒されます。
複数飼育が可能とされる種類でもありますが、個体同士の相性によってケンカをすることもあるため注意が必要です。
オスとメスで違うハムスターの性格
ハムスターは種類だけでなく、性別によっても性格に違いが見られることがあります。
もちろん個体差も大きいですが、一般的には以下の傾向があります。
オスの性格の傾向
オスは比較的おっとりしていて、人に慣れやすいといわれています。
縄張り意識もメスよりは弱めで、攻撃的になることは少ないです。
また、体臭がやや強めな個体も多いため、性格面だけでなく飼育環境での工夫が必要です。
メスの性格の傾向
メスは活発で気が強く、縄張り意識が強い傾向があります。
ケージ内を活発に動き回る姿がよく見られ、時に気性が荒くなることもあります。
その反面、行動がはっきりしているため観察していて面白いと感じる飼い主も多いです。
性格に影響を与える要因
ハムスターの性格は「種類ごとの傾向」だけでなく、育つ環境や飼い主との関わり方によっても大きく変わります。もともとの資質に加えて、次のような要因が影響します。
個体差
まず大きいのは個体差です。
人間と同じように、同じ種類であっても穏やかな子もいれば、神経質でよく噛む子もいます。兄弟姉妹の中でも性格が全く違うことは珍しくありません。
飼育環境
次に飼育環境も重要です。
狭いケージや落ち着かない場所に置かれていると、常に警戒して落ち着きのない性格になりがちです。
逆に広めのケージで隠れ家や回し車が充実していると、安心して過ごせるため穏やかな性格が育ちやすいです。
飼い主の接し方
そして忘れてはいけないのが飼い主の接し方です。
いきなり触ろうとしたり、大きな音を立てたりすると、臆病な性格がさらに強まります。
逆に、毎日少しずつ声をかけたり、おやつを手から与えて時間をかけて慣らしていくと、人に心を開きやすくなります。
ハムスターと仲良くなるためのコツ
ハムスターは臆病で警戒心が強いため、仲良くなるには「焦らず少しずつ慣れてもらうこと」が大切です。
無理に触ったり抱こうとすると逆効果になるので、段階を踏んで信頼関係を築きましょう。
手の匂いを覚えてもらう
まずは手の匂いを覚えてもらうことから始めます。
ケージの中に手を入れて動かさず、ハムスターに自分から近づいてもらいましょう。
何度か繰り返すことで「危険ではない存在」と理解してくれます。
おやつを手から与える
次に、おやつを手から与えるのがおすすめです。
大好物を通じて「手＝安心で良いことがある存在」と認識してもらえるようになります。
この段階でも無理に触らず、自然に手の上に乗るのを待つことがポイントです。
毎日同じ時間に声をかける
慣れてきたら毎日同じ時間に声をかける習慣をつけると、ハムスターも安心します。
規則的な接し方はストレスを減らし、より穏やかな性格を引き出してくれます。
こうした積み重ねによって、やがてハムスターが自分から近づき、手のひらでリラックスするようになってくれます。時間はかかりますが、少しずつ仲良くなる過程こそハムスター飼育の大きな楽しみです。
まとめ
ハムスターは一見同じように見えても、種類や個体によって性格は大きく異なります。
ゴールデンハムスターはおっとりして人に慣れやすく、初心者にも人気。
ジャンガリアンハムスターは活発で好奇心旺盛ですが、個体差が大きいのが特徴。
ロボロフスキーハムスターは小さく俊敏で警戒心が強く、人になれるよりも観察して楽しむタイプです。
また、性格は生まれ持った資質だけでなく、環境や飼い主の接し方によっても変わります。
安心できる飼育環境を整え、焦らず少しずつ信頼関係を築くことで、臆病なハムスターも人に心を開いてくれることがあります。
つまり「種類ごとの傾向を理解すること」と「個体に合わせた接し方をすること」が、ハムスターと上手に付き合うためのポイントです。飼い主が工夫すればするほど、性格の魅力を存分に引き出すことができるでしょう。
