
ベタは鮮やかな色彩と優雅なヒレで人気の熱帯魚ですが、「人になつくのか?」と疑問を持つ方は多いでしょう。
この記事では、ベタが見せる人懐っこい行動や、なつきやすい環境づくりの工夫をわかりやすく解説します。
観賞魚としての魅力に加えて、より身近に感じられる楽しみ方を知ってみませんか?
ベタに限らず魚は人懐っこい・人になつく事はあるの?

ベタに限らず、そもそも、魚が人になつくのかどうか、という問題があります。
人によって考え方も捉え方も違うからです。
私の個人的な考え方から言わせていただけば、「慣れる」ことはあっても「なつく」ことはないと考えています。
魚はイヌのように高度な群れ社会を作る能力があるわけではないし、学習能力も記憶力もそう高いわけではありません。
こちらの気持ちを汲んで行動や表情に表すようなことはない、と考えるのが、科学的に正しい見方ではないかと思います。
ただ、個人の考え方や捉え方を否定するわけではありません。
水槽に近寄っただけで飼い主のほうに寄ってくる魚は何種類もいますが、これを「飼い主に懐いている」とみなすのか、「人影=餌がもらえる、という反射反応」とみなすのか、という違いです。
特にベタは単独で飼育することが多く、視線や仕草など、他の魚よりも細かく観察する機会の多い魚です。
イヌのようなコミュニケーションを求めるのは酷ですが、ベタの仕草から「自分になついた」と妄想するのは、飼い主の特権であり、楽しみ方のひとつではないでしょうか。
とは言っても、ベタが人懐っこいと感じさせるようなしぐさを見せることも多々あるので次の項目で解説していきたいと思います。
ベタが「なついた」と飼い主に思わせる仕草

飼い主が近寄ると寄ってくる
前述したとおり、飼い主が水槽に近寄ると餌がもらえる、と学習する魚は多く、ほとんどの魚が、飼い主が水槽に近寄っただけで水面付近に集まるようになります。
これは、ベタでも例外ではありません。
ただ、ベタの場合は単純に餌と結びつけているだけではなく、明らかに様子を伺いに来ることがあります。
縄張り意識が強く、自分の縄張りに近寄ったものを偵察に来たのかもしれませんが、まるで飼い主にあいさつしに来たようで、見ていて可愛らしいものです。
ただし、可愛いからと様子を見るたびに餌を与えると、水質悪化などを引き起こすので、あくまでも餌は適量に抑えましょう。
メンテナンス中の手に寄ってくる
コケ取りや掃除などで、水槽に手を入れることはよくあります。
このとき、普通は逃げていくものですが、ベタの中には逃げずに寄ってくる個体がいることがあります。
かといって手に攻撃したり、威嚇したりするわけではなく、とにかく手の周りにまとわりつくように泳いだり、時々表面をつついたりします。
自分の縄張りに入ってきた異物の確認であったり、餌をくれる手を覚えていて餌だと思ってつついたり、といったことが考えられますが、飼い主として悪い気はしないでしょう。
人の体温は魚にとっては熱すぎるので、たとえ水中でもあまり長時間のスキンシップは避けるべきですが、試しに水中で手のひらに乗せてみてもいいでしょう。
手から餌を食べる
元々、ベタはあまり物怖じしない性格の魚です。
見たことのないものが自分の縄張り内に入り込むと、警戒しながらも様子を見たり、近づこうとします。
あまり何度もやるべきではありませんが、少量の水で練った餌を指にくっつけてそっと水中に入れると、ベタが食べに来てくれることがあります。
餌の量をコントロールしにくくなるため日常的にやるのはよくありませんが、たまにそういった形でスキンシップを図る分には楽しいでしょう。
ベタがなつきやすくなる環境づくり

餌の与え方で信頼関係を築く
ベタは「餌=飼い主」という学習を通じて、人の存在を認識するようになります。
毎日決まった時間に餌を与えると、ベタは人影を見ただけで水面に寄ってくることが多くなります。
これは習慣化による条件反射の一面がありますが、飼い主としてはまるで「なついている」ように感じられる瞬間です。
ただし与えすぎは水質悪化や肥満につながるので、あくまで適量を心がけましょう。
水槽環境が安心感を与える
水槽内に隠れ家や水草を配置すると、ベタは安心して過ごせるようになります。
安心感のある環境に慣れると、人が近づいても逃げずに堂々と泳ぐようになり、結果的に人懐っこく見えることが多くなります。
逆に狭すぎる容器や頻繁なストレス要因があると、人の姿を怖がり、懐いたと感じにくくなるので注意が必要です。
日々の観察が「なつく」行動につながる
ベタは毎日の観察や声かけで、飼い主の存在を学習していきます。
例えば、水槽の前でじっと見つめる習慣をつけると、ベタは「人がいる=自分に関係のあること」と感じ取り、自然に寄ってくるようになります。
犬や猫のような感情表現ではありませんが、この行動を「なつく」と受け取れるかどうかは飼い主の感じ方次第です。
まとめ
ベタは犬や猫のような意味で「なつく」わけではありませんが、飼い主の存在を覚え、人懐っこい行動を見せる魚です。
毎日の世話や観察を通じて関係性を深めれば、ベタとの距離が縮まったような嬉しい瞬間を楽しめます。