
ベタが横になる姿を見ると「大丈夫なの?」と不安になりますよね。
実は睡眠中の自然な姿勢である場合もあれば、浮袋の病気や消化不良といった異常のサインのこともあります。
この記事では、横になる理由と確認すべきポイント、原因ごとの対策を解説します。
ベタが横になるときに確認すべきポイント

ベタが横になっている姿を見たとき、すぐに病気を疑う方も多いですが、必ずしも異常とは限りません。
まずは以下の点を落ち着いて確認してみましょう。
呼吸の様子をチェック
健康なベタなら、横になっていてもエラや口の動きが一定のリズムで続いています。
逆に、呼吸が早すぎたり止まりそうに見える場合は危険信号です。
呼吸の状態を確認することで、「ただ寝ているだけなのか」「病気の兆候があるのか」をある程度見極めることができます。
餌を食べるかどうか
翌日になって餌を与えたとき、普段通り反応して食べれば大きな問題はないことが多いです。
一方で、食欲がまったくなかったり、吐き出すような様子があれば消化不良や病気が疑われます。観察を続けながら数日様子を見てください。
行動の回復があるか
睡眠や軽い体調不良であれば、横になっていても時間が経てば再び泳ぎだします。
逆に、ずっと横になり動かない、泳ごうとしてもバランスが取れない場合は、浮袋の異常やガスの蓄積など深刻な原因が考えられます。
この場合はすぐに塩浴や水質改善を行いましょう。
横になる行動は「休んでいるだけ」から「病気のサイン」まで幅が広いため、慌てて薬を投入するよりも、まずは呼吸・食欲・行動の3点を観察し、状況を見極めることが大切です。
ベタが横になる理由
寝ている
ベタの寝姿について、「横になって眠る」という意見と、「横にならない」という意見に分かれています。
これは、どちらも正解といえるかもしれません。
ベタはもともと、何かに寄りかかるようにして眠る習性があります。
ベタは水草があれば、水草に寄りかかるようにして眠る場合がほとんどです。

そして、寄りかかるのにちょうどいいものがないと、水底に沈んでなんとなく斜めになって眠ることがあります。
この姿が、横になって眠っているように見えることがあるのです。
また、寄りかかり方によっては横向きに倒れているように見えるかもしれません。
この場合、ベタそのものには何か異常があるわけではないので、焦る必要はありません。
眠った状態で横向きになるので、起きれば普通に泳ぎだします。
ただし、水底で眠ると腹びれや尾びれの下半分などひれの一部が傷んでしまうことがあります。
あまり複雑なレイアウトは不向きですが、寄りかかれるような水草などは入れてあげた方がいいでしょう。
最近では、ベタが休憩しやすいように作られた専用の人工水草もあります。
生きた水草では手入れが大変そう、と思う方は、そういったグッズを使うといいでしょう。
浮袋の異常
これは、ベタが何らかの病気になっているケースです。
水中では、浮袋の浮力を利用して体のバランスを保っているため、浮袋に異常があると体をまっすぐに保てなくなります。
このとき、見た目には横倒しになっているように見えることがあります。
症状にもよりますが、軽度の場合はベタが気を抜くとだんだん横向きに倒れはじめ、気を取り直すとバランスが戻る、といった行動をとります。
重症化すると、どうやっても自力でバランスを保つことができず、横倒しでもだえるような泳ぎかたになります。
こうなると、治療は困難です。
細菌感染により発症している場合が多いため、水温を上げ、0.5%の塩水で塩浴治療し、必要に応じて魚病薬を投入しましょう。
病気はとにかく予防が第一なので、日ごろから水質と温度を適切に管理することが大切です。

胃にガスが溜まっている
これも、ベタの体調不良の一種です。
食べたものがうまく消化できず、胃など体内に残り続けると、腐敗してガスが発生します。
自力で浮力をコントロールできるのは浮袋だけなので、胃にガスがたまると体のバランスを保てなくなります。
すると、胃のある部分を上向きにして倒れてしまうのです。
横向きに倒れることもあれば、腹部を上にして逆さまになることもありますが、多くの場合は水面付近に浮いてしまいます。
しばらく水深を浅くしてやるとガスが排出され、元通りになりますが、細菌感染で浮袋に異常がある場合との区別が少し難しいかもしれません。
人工飼料で育てているベタの場合、古い餌を与えると、こうして井の中でガスが発生してしまうことがあります。
人工飼料の多くは乾燥していて善し悪しがわかりにくいと思いますが、消費期限を過ぎたものなどは使わないようにしましょう。
また、体調が悪い個体に赤虫を与えると、消化不良を起こして同様にガスが発生することがあります。
このケースの異常を防ぐには、ベタに新鮮な餌を与えるとともに、体調不良の個体には消化のいいものを与えるようにしましょう。
ベタが横になる?考えられる3つの理由【まとめ】
ベタが横になる行動は、ただ眠っているだけのこともあれば病気の前兆のこともあります。
呼吸や食欲、行動の回復をよく観察し、異常があれば早めに対処しましょう。原因を理解しておけば慌てず行動できるはずです。
他の記事では「ベタの病気」「水質管理」についても詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてください。