
ベタは丈夫で飼いやすい熱帯魚として知られますが、ときに餌を食べない様子を見せて飼い主を心配させることがあります。
本記事では「ベタが餌を食べないのはなぜ?」という疑問に応え、環境や食べ方の問題に加え、病気やストレスの可能性までわかりやすく解説します。
ベタが餌を食べない|飼育のポイント

飼っているベタが餌を食べないのにはそれなりの理由があるはずですが、まずはベタの正しい飼い方について確認しましょう。
「コップで飼える」とも言われ、実際にショップではコップや金魚鉢などで販売されていることもあります。

ただし、これはショップならではの方法で、自分で飼う場合にはおススメしません。
ショップの多くは室内が飼育に適した温度に保たれ、他の大きな水槽から状態のいい水を移すことができるからです。
また、在庫している他のベタと交代でコップに入れていることもあります。
家でちゃんとベタを飼うなら、できれば30センチ程度の水槽を用意し、フィルターとヒーターをつけましょう。

要するに、普通の熱帯魚を飼うときと同じセッティングで飼育すれば、ベタも健康に暮らすことができます。
また、ベタは基本的に水面付近にいる魚で、野生下では水面に落ちた虫などを食べています。
あまり激しく泳ぎ回ることはなく、運動量の少ない魚です。
ベタが餌を食べないと判断する際の基準
ベタは個体差が大きく、その日の気分や環境の変化で一時的に餌を食べないことがあります。
大切なのは「どのくらい続いているのか」を冷静に見極めることです。
1日程度なら問題なし
前日まで元気にしていたベタが1日餌を食べないくらいであれば、心配しすぎる必要はありません。
特に水換え直後や環境が変わったときには、一時的に食欲が落ちることがあります。
2〜3日続いたら注意
2〜3日食べない状態が続く場合は、環境(水温・水質)のチェックを優先しましょう。
低水温や水質悪化は食欲不振の大きな原因です。
この段階で異常が見つかれば改善し、回復を観察します。
1週間以上食べない場合は病気を疑う
1週間も餌を食べないのは異常です。
便秘や内臓の不調、寄生虫、ストレスなどが隠れている可能性が高いので、塩浴や薬浴を検討する必要があります。
また、体が痩せてきている・ヒレを閉じてじっとしているといった症状があれば早急に対応しましょう。
ベタがご飯を食べない原因と対策方法は?

病気が原因で餌を食べないケースもある
飼育環境や餌の種類に問題がなくても、ベタが餌を食べないのは病気のサインであることもあります。
特に体調不良が進むと餌を口にしても吐き出す、あるいはまったく近寄らなくなることもあります。
消化不良や便秘による食欲不振
ベタは消化器官が短いため、餌を与えすぎるとすぐに便秘や消化不良を起こします。
お腹が膨らんで動きが鈍くなり、餌を避けるような行動を見せることがあります。
この場合は絶食期間を設けたり、消化に良いブラインシュリンプや冷凍赤虫を与えると改善しやすいです。
寄生虫や細菌感染による不調
白点病やエラ病、寄生虫感染などが起こると呼吸が苦しくなり、活動量が落ちて餌を食べなくなります。
特に体表に白い点が見えたり、エラを大きく動かしている場合は注意が必要です。
こうしたときは塩浴や薬浴で早めに対処する必要があります。

ストレスによる拒食
新しい水槽に入れた直後や、他の魚との混泳によるストレスで餌を受け付けなくなることもあります。
環境が落ち着けば自然に食欲が戻ることもあるため、無理に与えず静かな環境で様子を見ることが大切です。
隠れ家や水草を増やして安心できる空間をつくると回復しやすくなります。
飼育環境が悪い

いくらベタが丈夫だとはいっても、良くない環境で飼われているベタは食欲が落ちてしまいます。
よくあるのは、水温が低すぎる場合です。
小さな容器で飼っている場合、ヒーターを設置することができません。
このため、容器内の水温が室温任せになってしまい、ベタの適温からずれてしまうのです。
特に、水温が低い場合は食欲が落ち、ご飯に興味を示さなくなったり、口にしたものを吐き出したりします。
この状態が続くと病気になることもあり得るので、早急に飼育環境を見直しましょう。
すでに満腹になっている

ベタは小型魚の中ではわりと大きな体の持ち主で、イメージとしてはブラックモーリーと同じくらいの体格をもちますが、食べる量はブラックモーリーよりかなり少ない印象を受けます。
その理由は、ベタがそもそもあまり動かず、活発でない魚だからです。
動かないために運動量が少なく、お腹もすかない、ということになります。
さらに、小型水槽で飼われていればなおさらです。
こういった飼われ方をしているベタに毎日ご飯をあげても、前回あげたご飯が胃の中に残っていて、満腹感が続き、あまり反応しなくなってしまいます。
ベタのご飯は数日おきに、まだ欲しがるくらいで止めておくのが基本です。
反応しないにも関わらずご飯をあげると、残したご飯が水質を悪化させてしまいます。
ご飯に飽きてしまった、気に入らないものをあげている

ベタは元来、肉食傾向の強い雑食性で、何でもよく食べる魚ですが、偏食する個体もみられます。
また、先に紹介した通り、ベタは浮いている小さなものを食べるように体ができています。
このため、沈むタイプのご飯や、タブレットタイプなど大きなご飯は食べにくく、あまり食が進まないことがあります。
食べやすく、嗜好性が高くて栄養の豊富なご飯なら偏食しても与え続けて問題ありません。
おススメなのは、ベタ専用に開発された餌です。
水面に浮き、ベタの口に合わせた小粒タイプで、ベタのことを考えて栄養バランスもとられているので、安心して与えることができます。
まとめ
ベタが餌を食べないのは環境・満腹・餌の種類だけでなく、病気やストレスのサインである場合もあります。
焦らず原因を探り、適切に対応することが大切です。
ベタ飼育の記事もあわせて読めば、より健康的な飼育環境づくりに役立ちます。