
ベタが水槽の底に沈んで動かない姿を見ると「病気なのでは?」と不安になりますよね。
実際には一時的な休息の場合もありますが、水質の悪化や体調不良が原因のこともあります。
本記事では「ベタが沈む・水槽の底でぐったりする」ケースに特化し、原因と対策を詳しく解説します。
ベタが水槽の底で沈むのは普通?

ベタは他の熱帯魚に比べて常に活発に泳ぎ回るタイプではなく、底に沈んで休んでいる姿が見られることも珍しくありません。
特に、水草や流木の上、飾りの陰でじっとしている時は「くつろいでいる」可能性が高いです。
安心できるのは、次のようなサインが見られるときです。
- 体色が鮮やかでツヤがある
- 時折力強く泳ぐ
- 鏡を見せるとフレアリングする
- 泡巣を作る様子がある
これらの行動が見られれば、底で沈んでいるのは単なる休憩と考えて問題ないでしょう。
一方で、以下のような状態は要注意です。
- 体色が薄くなっている
- ヒレを閉じたまま力なく沈む
- 呼吸が荒い、もしくは水面に頻繁に浮かんで苦しそうにしている
- 鏡を見せても全く反応しない
こうした症状が続く場合は、単なる休息ではなく体調不良や病気の可能性が高まります。

なお、ベタが「横になる・横たわる」姿については、沈む行動と混同されがちですが意味合いが少し異なります。
この点についてはベタが横になるのは病気?原因と対策方法で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

ベタが沈む・ぐったりする原因とは?

ベタが水槽の底で沈んで動かなくなるとき、考えられる原因はいくつかあります。
休息ではなく不調のサインである場合も多いため、一つずつ確認してみましょう。
水温の低下
ベタは熱帯魚のため、水温が低いと代謝が落ち、動きが鈍くなります。
20℃を下回ると底でじっとすることが増え、餌を食べなくなることもあります。
冬場は必ずヒーターを設置し、26〜28℃前後をキープすることが大切です。
水質の悪化
水換えを怠ると、フンや餌の食べ残しが分解されてアンモニアや亜硝酸が溜まり、ベタに強いストレスを与えます。
その結果、底に沈んで動かなくなることがあります。
特にコップや金魚鉢など小型水槽では変化が早いため、こまめな水換えとフィルター管理が必要です。


餌・消化不良
赤虫などの消化に負担がかかる餌や、古い餌を与えた場合、胃腸にガスが溜まって沈んでしまうことがあります。
こうした時は一度絶食させ、次の日から餌をすりつぶす、少量ずつ与えるなど消化に配慮した方法に切り替えると回復しやすいです。
病気による不調
沈む行動は病気のサインであることもあります。
- エラ病:呼吸が荒くなり、底でぐったりする
- 白点病:体表に白い斑点が出て動きが鈍る
- 松かさ病:体が膨らみ、底に沈んで弱っていく
これらの症状が見られる場合は、塩浴や薬浴による治療が必要です。


老化・寿命
ベタの寿命は平均2〜3年程度。高齢になると体力が落ち、泳ぐよりも底でじっとしている時間が増えます。
ふらつきがなければ見守って構いませんが、餌は沈下性のものを与えるなど、最後まで快適に過ごせるように配慮してあげましょう。
ベタが沈んでいるときの対策方法
ベタが水槽の底でぐったり沈んでいる場合、まずは原因を切り分けながら対処していきましょう。
水温・水質を整える
最初に確認すべきは環境です。
水温が低ければヒーターで26〜28℃に調整し、水質が悪化していれば新しい水に替えてあげましょう。
小型水槽では一気に換水せず、1/3ずつ数日に分けて行うと魚への負担を減らせます。
餌を控えて消化を助ける
消化不良が疑われるときは、思い切って1〜3日間絶食させます。
ベタは数日食べなくても問題なく生きられるため安心してください。
その後は餌をすりつぶす、量を減らすなど、消化に優しい与え方を意識しましょう。
フレアリングを数分促すと腸の働きが活発になり、排便を助ける効果も期待できます。
塩浴・薬浴で治療する
環境改善でも元気が戻らない場合は、塩浴で体力の回復をサポートします。
0.5%の塩水浴を数日続けると、浸透圧の関係で体の負担を和らげられます。
さらに病気の症状が見える場合は、適切な薬浴を行いましょう。
- 細菌性:グリーンFゴールド
- 白点病:メチレンブルー
など、症状に合わせた薬を選ぶのが大切です。
高齢のベタへの配慮
寿命が近づいたベタは、対策をしても沈んで過ごす時間が増えます。
その場合は無理に泳がせるのではなく、沈下性の餌を与えたり、水草や流木を配置して安らげる環境を整えてあげましょう。
ベタが沈む行動と向き合うために
ベタが水槽の底で沈んでいる姿は、ただ休んでいるだけのこともあれば、体調不良や寿命のサインであることもあります。
大切なのは「どのように沈んでいるか」を観察して見極めることです。
元気な色合いやフレアリングが見られるなら休息、逆に反応が鈍く色も褪せているなら不調を疑いましょう。
水温・水質の改善や絶食・塩浴といった基本的なケアで改善するケースは多いので、焦らず対処してください。
ベタが沈む、横たわる【まとめ】
ベタが沈む・水槽の底でぐったりしているときは、
- 水温の低下
- 水質の悪化
- 消化不良や病気
- 寿命
といった原因が考えられます。
一時的な休息なら心配はいりませんが、長時間続くようであれば環境を見直し、塩浴や薬浴などのケアを試みましょう。
観察を重ねて早めに対応することで、回復できる可能性は高まります。
「ただ休んでいただけだった」と安心できることもあれば、早期対応で命を救えることもあります。
大切な家族であるベタと少しでも長く一緒に過ごせるよう、日頃から小さな変化に気づいてあげてください。